M&A 中小企業が注意すること

仲介契約・FA契約

 

M&A事業者の多くは、仲介契約かFA契約のどちらかで結ばれることとなります。中小企業者様にとり初めての言葉で、いったいなんなのこと?と思われても当然です。わかりやすいのは、不動産屋さんをイメージしていただければとおもいます。

賃貸マンションやアパートを借りるとき、通常不動産屋さんに行くと思いますが、その不動産屋さんで行われるのは仲介ですよね。仲介とは、大家さんと借主との間に入って条件について、とりもつ役割になります。まさにM&Aにおける「仲介」も売り手、買い手の間に入って間をとりもつ関係です。ここで注意が必要なのは、買い手と売り手の間では、利益相反がおきるにも関わらず、両者の間を取り持ち、両者の利益の最大化を図る点です。一方FAとは、買い手若しくは売り手側のどちらかについて、話を進める役割を担います。どちらか一方に就くということは、「自分の味方になってくれる」と思いやすいですからすごく頼れる感じがします。でも、仲介にしてもFAにしても就任した専門家はその案件に関し最善を尽くしてくれるものです。是非、ご自身に合った形を選んでいただければと思います。

 

業務範囲・内容

M&Aにおいて、何をしないと始まらないかといえば、相手探しです。自分が会社を「売りたい」「買いたい」と考えても、買ってくる人、売ってくれる人がみつからない限りどうにもなりません。そこで、自分が会社を「売買」すると決めたら身近にいる支援機関や専門家に相談するべきです。この相手探しをしてくれるのが、主に専門家になりますが、その専門家が、その後どこまで面倒を見てくれるかについては、専門家次第ということになります。通常、単純に言えば、「相手探し、マッチング、交渉、合意、買収後の整備」などがあります。この業務範囲をどこまで行うかは、専門家次第ということです。相手探しも最近はインターネットを使った仕組みがあり、簡単に探せるようになりました。しかしながら、自分の条件にあった相手を見つけるまでには、相当の時間がかかると思った方が良いでしょう。その間ずっと、探し続ける時間がご自身にあればよいですが、ない場合はその時点で買収話は終わりになります。また、相手がみつかったとしても、相手との交渉があります。実はこれについても売側の想いがあり、その想いをどう汲み取るかなど、かなりハードな交渉が必要となります。従いどの専門家に頼むにしても、どこまで実行してくれるのかしっかり確認する必要があります。

 

手数料体系

仲介、FAどちらに頼むにしても手数料についてはしっかり確認をしましょう。最近は、成功報酬のみを謳っているM&A事業者も多いようですが、「着手金、中間金、成功報酬」を柱としている専門業者も勿論あります。通常M&Aの世界ではレーマン式を使い、M&Aの専門家様の殆どかと思われます。おそらくスモールM&Aであれば、買収金額の5%までの範囲で収まるところが多いと思われます。例えば、1億円の買収となった場合、500万円が成功報酬金額となります。これを高いと思うか?安いと思うかは事業者様次第ですが、売れなければ「0円」だったものが、1億円の資産(株・現金等)が手元に入り、その内の5%を支払うことについて考えれば手元に入るのは、9500万円です。例えば、皆さん良くご存じの不動産の売買でも仲介手数料はかかります。不動産の仲介手数料は、取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税になります。1億円の物件を買うのに、336万6千円がかかります。勿論、不動産仲介とM&Aの仲介では仕事も違うし業務量、業務の複雑さも違うので単純には比較できませんが、個人的に第一印象はそんなに高いなとは感じません。判断はご自身がなさることですが、参考になれば幸いです。

 

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