■M&Aと事業承継

今、事業承継は日本にとりとても大きな問題となっています。日本国成長の為には中小企業の活性化が欠かせない中、次の担い手がいないのが今の日本の現状です。しかしながら何故、担い手がいないのか?どうすれば承継できるのか?この難題について国、県を挙げて取り組んでいます。この手段として、親族内承継、MBOそしてM&Aなどがあります。特にM&Aで大切なことは「ずばり」事業の継続性を次期後継者にどう担保するか。これにつきます。つまり「事業の磨き上げ」がとても大事だということです。売り手にとってはこの磨きあげにより、企業価値に大きな差がつき「高く売る」為の手段になります。買い手にとっては、どう安く買えるか、そのポイントを見極める必要が出てきます。さらに、贈与税額だとか、譲渡金額だとか、目の前のお金の話にも目を向けなければいけません。実はこれらを考える上でも「事業の磨き上げ」を含めトータルで俯瞰できる第三者の存在が凄く重要となってきます。当事務所では、経営コンサルタントとしての唯一の国家資格を有したプロが一緒になってお手伝い致します。

1.事業承継・M&Aの構成要素

引用:中小企業庁事業承継ガイドラインより

事業承継では、多くのことを引き継がなければなりません。まず特に人の承継です。誰に引き継ぐのか、これは根本の問題となります。次に自社株式・事業用資産、債券、債務など「資産」の継承などがあります。そして、経営理念や取引先との人脈、技術・技能といった知的資産の継承などがあります。経営に対する想い、価値観、信条を確認するプロセスは、事業承継の本質であり、避けて通れません。明文化し従業員や後継者と共有することで事業承継もブレることなく行えます。

2.事業承継・M&Aを実行するまでの5ステップ

引用:中小企業庁事業承継ガイドラインより

ステップ1:事業承継の準備の必要性を認識

自分の会社と取引している会社は1社ではありませんし、従業員の雇用問題など、事業承継に係る準備は大変なものがあります。引き継といっても、内部者へなのか、外部者へなのかでも準備内容は変わってきます。とにかく早めの準備が必要です。

ステップ:2経営状況・課題を見える化

事業内承継承継するにしても外部に売るにしても事業の見える化が必要です。見える化するものは3つあります。

1)事業の見える化

自社の強み弱みを把握し取り組むべき課題を洗いだします。

2)資産の見える化

経営者の個人資産と会社との貸借関係を明確化します。何を後継者に残せることができるのかがわかることで、後継者の不安も解消されます。

3)財務の見える化

適切な会計処理が求められます。これを行うことで、銀行や取引先から信頼を得ることができるようになります。

ステップ3:会社の磨きあげ

事業価値の高い会社は魅力的なものです。他社には負けない強みを更に磨くことで価値が高まります。また、業務効率化された会社や、組織体制が整備された会社も譲り受ける側からすると気になるポイントになります。

ステップ:4・5事業承継の計画策定と実行

会社の見える化、会社の磨き上げで明確になった経営課題を解消しつつ、策定した事業承継計画やM&Aの相手との資産移転、経営権の譲渡を進めていきます。

3.事業承継を成功させるアクション

①親族内承継、従業員承継、M&Aなどどの形で事業承継をするのか決める

②後継者の選び方と育成方法

次期後継者として資質のあるひと、つまり、「経営ビジョン」「覚悟」「意欲」「実務能力」がある人です。育成方法は社内で教育する方法や社外で教育する方法があります。

4.経営権の分散防止

会社の経営を安定させるためには、後継者に自社株を集中させることが望ましいです。遺産分割協議や遺留分減殺の請求によって、自社株の分散がおきてしまうリスクがあり注意が必要です。こうならないためには、先代経営者の生前に、後継者に株を集中させることが理想です。もし、自社株が分散してしまった場合は、自社株式の買取に係る特例措置の活用などがあります。

5.税負担と対策

後継者が経営者から自社株式や事業用資産を引き継ぐことに伴い、贈与税や相続が発生してきます。贈与税、相続税の納税猶予・免除制度などもありますので、場合により活用できます。

引用:中小企業庁事業承継ガイドラインより

6.M&A(社外への引き継ぎ)等

M&Aを進める場合、引き継ぐ前に行うべきことは会社の「磨きあげ」です。事業の競争力を高めることで、より良い条件で譲受先が見つかることや、譲渡価格が上がる可能性が出てきます。

1)M&Aの代表的な手法

M&Aでは専門的なノウハウが必要です。その為、金融機関、一般の民間企業そして士業などの専門家からサポートを受けながら進めます。M&Aでは、どのような手法で事業を譲渡したいのか、譲り渡す側が明確にしておく必要があります。

引用:中小企業庁事業承継ガイドラインより

2)M&Aのマッチングまでの流れ

譲受会社との経営統合をいかにスムーズに進め、統合の効果を最大限活かすかの視点を持つことも忘れてはなりません。

引用:中小企業庁事業承継ガイドラインより